2013年4月22日月曜日


朝初めての妻の弁当作り。6時起きで半分夢の中状態で卵焼き、夕べの残り、オレンジ。「作った」んじゃない、「それって詰めた」と言うの、とは妻の弁。

 そして先輩方について、運転免許の試験申し込み関係で役所を2箇所回った。
異邦人がVISAを取得したものの、IDやそれに匹敵する正規の運転免許の為に必要な書類なのだ。これは1年ごとに更新。運転免許の試験申請は税務署を兼ねた大きな倉庫の中を個人ブースで仕切った役所と形容するには不思議な場所。行列。視力検査は係員の裁量らしく、私たちは無い。試験本番は5月3日にグアム大学、その場で35$支払う。問題は我々の場合ペーパーで簡単なのだそうだが…。英語とそれ以外の言語(日本語、韓国語など)の問題もあり。文章が直訳、機械翻訳のような関係代名詞バリバリの回りくどい表現でひどく分かりにくく、とにかく試験官に質問すること(!)なのだそうだ。
 グアムでの車検は日本よりかなり安い(2万円しない)。かなり好い加減で、ウィンカーやブレーキなどごく常識的な機能がOKならば合格。ドライブスルー状態だ。
 にわか雨で涼しいと思ったら昼には晴れ、猛暑。日本食レストランにて昼食、とんかつ定食。もっとあっさりしたものがよかったのだが、ラーメン等とあまり値段が変わらず、そば等よりむしろ安い。しかし海外での日本食って比較的高めの価格設定、ちょっとした高級感があるにもかかわらず、客の入りは多い。

 夏休みは短く1ヶ月程。雨期で当然降水量が増える。南国のスコールは「ザッと降ってかんかん照り」イメージだが、去年はじとじと降り続けたらしい。「もうね、外国に行ける訳でなし、島でやる事も見る事もなし。私たちずっと家に引きこもり状態でした」。帰国は推奨される空気ではなく、外での好天下での取材は5月いっぱい、6月からは次第に崩れると見た方が良さそうだ。その頃には画面構成が落ち着き、取材も十分に終え、大作とともに部屋でじっくり制作できるまでにしたいものだ。

 ココス島、ココパームガーデンビーチ等、有料のビーチ、アクティビティは完全に観光地価格で、生活者の物価感覚ではない。まあ地元民の楽しんでいるビーチが十分すぎる程美しいのだが。
 ただ、みなさんの生活者ならではの治安情報も現実感覚で聞ける。リティディアン海岸へ向かう路上で強盗事件があったそうだ。これでもれっきとしたアメリカなので銃で脅され、車ごと身ぐるみ剥がされたのだとか。人気の無い場所では車上荒らしに遭う危険を考えよとは方々で言われる。
海では遊泳禁止の沖まで流され行方不明だった韓国人男性が発見される。かなりの損傷でサメに襲われた可能性ありだという。グアムでみんなが泳いでいるビーチは大体珊瑚礁のバリアで守られ、ほとんどサメは入ってこないという。ただ油断するとウミヘビや刺されると痛い生物はいるかもしれない。
怖がりすぎるのも問題だ。案外そういうオーラを発しているとボリ、たかり、詐欺、泥棒などが寄ってくる。だがやはり「日本ではない、外国であることを忘れない様に」と言う事だな。
警戒心を持って気を張っていることが事件、事故を減らし、土地を嫌いにならずに済む。
  
Kマートにて頼まれた買い物をし、南の現場に向かう。時間がない。湯沸かしポット、水筒などと、水泳の時のナイロン製の上着(名前知らぬ。シュノーケリングの人が上半身にぴちっと着るヤツ)と海中を歩く靴を買った。今週中にカメラを持って近場の安全な場所から潜ってみよう。

夕食の準備があるので日没まで描く事が出来ない。日常の家事は頭から完全に追い出し(親の敵が如く圧殺)急いで絵の具を画面に置く。細部など関係ない!最初の作品、少し空間が硬く感じる。定位置から移動し、谷を挟んだ両方の丘が入る構図で2枚目を着手。こちらの方が無理なく良い絵になるかもしれない。この場所で大作は描けそうだ。船便で着く予定のパネルF100を使うか、運搬を考慮して(丸めて日本に運搬、人に頼んで張り直してもらい、白日展出品)こちらのホムセンで仮設の木枠を作り、布を張って描くか悩むところだ。

明日は十字架の山に登ってみよう。メリッツォ村で木陰で描き、定位置で描く、というコースだな。


2013年4月17日水曜日


朝起きるとすでに8時!疲れがたまってるな。ボストンで大変なことが起こったものだ。

朝食、今日の夕食仕込み(トマト仕立ての野菜スープ)、掃除、洗濯、パネル準備など。家にいるとこれでもかと用事が重なるものだ。早く家から離れたい! 
自動車の保険事務所に契約に向かう。事務所はホテルロードにあるのだが、家から近いので楽勝。と思いきや警察が道路封鎖、急いでいる時に何しやがる、とITC方面にずっと遠回り。メインストリートMarine Corps Driveも妙に交通量が多い。「全くこんな渋滞たまらんな怒」と完全に住人の視点の自分が面白い。結局ホテルロードのかなり外れから迂回する。近くの駐車場から歩く。マリオットホテル前でまた警察が道路封鎖。「やけに事故が多い日だな」事務所に電話する。なんでもヒルトンで不審物が発見されたらしい。
ボストンの事件もあり、FBIが出動して調査中らしい。今日の空がいっそう青いだけにいつ何が起こるか分からぬ危険を思う。 

米軍関係者の(PR誌?)の雑誌が置いてあった。労災や「我々医師は兵士を確実に生存させます!」医療の宣伝、福利厚生、第2次世界大戦、ベトナム戦争の退役将校、アフガンでのレポートなど。職業としての軍隊の存在が生々しい。そういや、島のメインロードは(海兵隊ロード)の名であり、島に戦跡多く、軍の要衝なのだ。我々の生活が軍事上の傘の下にあることを肌で感じる。日本では実感しにくい。だが災禍は不意にやってくる。

 1時に終わり。買い物自宅にて準備。2:30に出発。 島南部を西回りで行く。
 青い海に白い墓地がまぶしい。イナラハン村はムリと判断、途中の入り江の村。日曜日は人が集う。今日は誰もいないジャックフルーツがたわわに実る。
行き来するうちに方向感覚が分からなくなる。ベトナム戦争のチャモロ人74人戦死者慰霊碑公園。4000人の現地人が出征した。1950年にアメリカ市民権を得た若者が勇敢に戦った。 絶景。谷間の雄大な空間と、熱帯の木々の生命感が半端ない。絶好の天気だが日差しも強い。谷間を見下ろす尾根に立つと、風が涼しい。鮮やかに輝く草原と谷間の椰子の林。展望台の石の縁を歩くと谷までの高低差が凄まじい。途中下まで降りていき、スケッチをする。どんどん描こう。横に広がるなかなか雄大な風景が多い。タオルで頰被り、UVは塗ってあるが多分役に立たないと思う。水分の消耗著しいが、汗もかき体が燃えて良い感じだ。持参のペットボトル1本飲み干す。が、次の現場近くで「しまった!水が無い!」ことに気がつく。そのまま走って近くの万屋で水を買う。 
 焼き畑農業?常夏の島でも一応冬はあるのか、黄金色の草原が雨期には一面緑になるのだろう。丸みを帯びた山々は浸食され谷間と尾根の立体感が際立つ。長い芝の様な草が斜面にびっしり生える。林の切れ目に湾曲する道が見える。人工物も生活をリアルに観察すれば感情移入が可能になり絵になる。だから現地にもっともっと馴染むべきだ。自分にとって「絵になる」ことの意味が変わるだろう。次のポイントを探すうちに(一本道なのだが)方向を見失う。迷ったついでに目立つポイントで下車、描ける場所か確認を繰り返す。焼き畑の煙が山間に漂う。草原に点在する枯れ木。浜辺の椰子の幹は住民に傷つけられ凸凹。それが面白い。

今日の目標のセッティ湾展望台 これまたふくよかな現地娘2人が展望台で水パイプ!ストロベリー系の良い匂いが夕暮れの丘に立ちこめちょっと良い気分だ。目が合うなり「Hi are you painting?」と笑顔で話しかけてきた。
 展望台から手持ちのF8号パネルに描く。これが2年間GUAM滞在の最初の作品だ。
すでに陽は傾き谷間の椰子林は昏いが西向きの斜面は光輝く。ここで1時間程だが描く。これで杭は打ち込んだぞ。

薄暗い中、夕食のために帰るのが惜しかったが、自宅までほぼ30分かけて帰る。
 今は外からこの島を観察しているにすぎぬが、それで良い。早いうちにシュノーケリングで海中も見てみよう。動き回って島のスケール感を早く体で覚えよう。イメージというのは不意に訪れるから、仕込みは早い方が良い。外国にいるのが不思議な感じで、こちらでフル回転するためにまだまだやらねばならないことは多い。


メリッツォの海を泳ぐy